街を変革するのは,まだ見ぬジンジャーか,街全体を覆い始めるワイヤードネットワークか? スマートな街角で,君とどこに行こうか相談してみる。そうだ,シリウスまでジンジャーで走ろうか。疲れたって? ならそこのリンクを,クリック。
アマゾン・コムは,ディーン・カーメンが作ったミステリアスな機器「ジンジャー」のページを開設,予約を受け付けている。来年の発売が予定されているが,まだ誰1人としてジンジャーの正体を知らない。
薮の中になにかあって誰もそれを見ていないが,どうやらそれは凄いらしいというその言葉だけが時間を動かしていく。みんなそれぞれ違うものを頭の中に想像し,これだ!という確証話があっても(The Registerの記事)それを確かめる術はなく,アドリブがさらにその想像物を加速していく(ZDNet Newsの記事)。ジョブズの「都市はジンジャーをもとに建設されていく」という言葉も,話を膨らます材料としては,なんとも魅力的で効果的だった。で,ジンジャーとやらは,なんなんだい?
人間という生物は,とかく移動が下手な生き物だ。歩くのが遅いし,長距離を自由に移動できる手段はない。自動車や電車,飛行機なんてものはスマートさのかけらもない道具たちだ。たとえ手元にタケコプターやどこでもドアがあったとしても,今の都市設計では使うのが難しい。街自体にスマートさがないので,ドラえもんの道具はかえって使いづらいのだ。…街の中ですべての人がワイヤードに接続したら,街の様相も一変する。そこでは,検索エンジンはタケコプター,リンクはどこでもドアだ。スマートな移動,スマートな生活,スマートな街角。今の街は,前世紀の遺物だ。ぶち壊せ,ぶち壊せ,思いっきり,ジンジャーの街角,ワイヤードの街角を作るため。
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